HK Harbour City × Mayuka Morimoto Lai See Packets(お年玉袋)制作



2023年、香港の大型ショッピングモールHarbour Cityより、旧正月プロジェクト「Blooming Bunny Year」のため6種類の刺繍作品制作のご依頼をいただきました。
うさぎと花をテーマにした刺繍デザインは、限定版のLai See Packets(紅包袋)に採用されました。また、原画作品はHarbour City館内の「New Year Wishing Pond」展示でも紹介されました。
6種類の刺繍デザインは、丸い形のLai See Packets(紅包袋)へと展開されました。エンボス加工と箔押しによって、原作のステッチが持つ盛り上がりや立体感がリアルに再現されています。
持ち手をうさぎの耳のように結べる布製ポーチも、紅包袋とあわせて制作されました。自分の刺繍が、手に取り、開き、誰かと分かち合えるものへ生まれ変わったことは、このプロジェクトのなかでも特に心に残る出来事となりました。
動画では、円形の紅包袋がどのように開くのか、そしてデザインの細部が動きの中でどのように見えるのかをご覧いただけます。



刺繍を大きな空間へ広げる
うさぎをあしらったデザインは、会場の季節装飾としても大きく展開されました。刺繍イメージは、Angelababyさんや財神爺(Choi San)とともに、Harbour Cityの旧正月ディスプレイの一部として展示されました。




刺繍作品からプロダクトへ
この制作は、まず刺繍作品としてそれぞれのデザインを制作し、その後、印刷や商品デザインへ展開されました。うさぎ、花、色彩、刺繍の質感が持つ魅力が紅包袋にも残るよう、デザインのなかに丁寧に落とし込まれています。
制作プロセスを通じて、作品はそれぞれがひとつの新しい命を得ました。小さな刺繍作品が旧正月の文化の一部となり、人から人への架け橋となったのです。
観察ノート
刺繍作品は、細かな作業から生み出されるとても小さな存在です。一つひとつのステッチは静かに時間をかけて生まれ、作り手の手元や、それを見る人々に寄り添っています。
しかし、このプロジェクトは刺繍が持つ別の可能性を見せてくれました。刺繍のうさぎたちは大きな商業空間へ入り、商品、季節の装飾、訪れる人々、そして共有される記憶をつなぐ存在となっていったのです。
刺繍は空間を飾るだけではなく、手仕事ならではの柔らかさや温度感が、人々に足を止め、じっくり見るきっかけを生み出しました。

手仕事の作品から、共有される体験へ
今回の刺繍作品は、いくつものかたちを経て広がっていきました。
作品 → プロダクト → 空間 → 人々
この流れを通じて、糸から生まれた一つの作品は、より大きな体験の一部になりました。このプロジェクトは、手仕事ならではの温かさを保ちながら、思いがけない場所でたくさんの人々に届けることができる、その可能性を示す一例となったのです。



展示詳細
刺繍作品の原画は、Harbour CityのOcean Terminalで開催された「New Year Wishing Pond」インスタレーションの一部として展示されました。
期間:2023年1月9日〜27日
時間:午前10時〜午後10時
会場:Harbour City、Ocean Terminal 2階入口
森本繭香について
北海道を拠点に活動する日本の刺繍作家。動物や自然から着想を得て、糸を使い、生きものの質感、動き、空気感を表現している。
作品は、日本国内外の書籍、雑誌、商業プロジェクト、展示などで紹介されている。刺繍を通して、手仕事のアートが温かさやつながり、そして小さな喜びの瞬間をどのように生み出せるのかを探求し続けている。




